尊敬語と謙譲語を正しく使い分ける!

敬語を使いこなすのは難しいものですが、ビジネスの社会では避けて通ることのできません。 ビジネス社会で使用する敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の三つにわけることがでます。 丁寧語は意識しなくても大抵使えるものです。しかし、謙譲語と尊敬語の使い分けは少し難しいですが、ビジネスマナーとしておさえておきましょう!

尊敬語と謙譲語
丁寧語 相手を敬って、表現を丁寧にする言葉
尊敬語 相手の人や第三者に敬意を表す言葉
謙譲語 自分や自分側の人がへりくだり敬語を表す言葉
●おもな尊敬語と敬語の一覧表
基本形 尊敬語 謙譲語
言う おっしゃる、言われる 申す、申し上げる
いる いらっしゃる、おいでになる おる
行く いらっしゃる、お出かけになる 参る、伺う、お伺いする
来る いらっしゃる、見える、おいでになる 参る、伺う、参上する
思う おぼしめす、お思いになる 存じる、存じ上げる
する なさる、される いたす、させていただく
食べる 召し上がる、お上がりになる いただく、頂戴する
見る ご覧になる 拝見する、見せていただく
聞く お耳に入る、お聞きになる 伺う、承る、拝聴する
もらう お納めになる、お受け取りになる いただく、賜る、頂戴する

「お」「ご」の使い分け

言葉を丁寧に表現しようと名詞すべてに「お」「ご」をつけてしまいがちですが、「お」と「ご」のつけ方にもルールがありますので注意しましょう。

@相手に関わることにつけて敬意を表す  
●動作・・・お出かけ、お戻り、お話、ご出席
  
●状態・・・お元気、お美しい、ご病気
  
●物・・・お洋服、お荷物、ご住所
  
●家族・・・お子さん、お嬢さん、ご尊父
  
●からだ・・・お口、お手、お耳
  
●相手に対する自分の動作・・・お礼、ご説明
A慣用的に用いる
ごはん、お盆、お金、ごちそう、ご覧になる、おはようございます、お酒、おでん
B「お」と「ご」の付け方  
●「お」は訓読みに・・・お手紙、お答え
  
●「ご」は音読みに・・・ご心配、ご回答
  
●例外・・・お返事、お電話、お天気、お時間
Cつけないと意味が変わる言葉
●ご多分=ほかの多くの例/多分=おそらく
●おめがね=人を判定する/めがね=眼鏡
●ご破算=ゼロに戻す/破産=財産をなくす、倒産
D「お」「ご」をつけない
●公共物・・・学校、市役所、電車、会議室
●動植物・・・犬、ネコ、バラ
●外来語・・・トイレ、ビール、コーヒー
●「あ」「お」ではじまる言葉・・・頭、応接室
●自然現象・・・自身、雨、風

自分と相手を呼び分ける

相手と自分の立場の違いを明確にするために、動作や状態のほかに、会社や人物についても言葉を使い分けます。相手側について述べる場合は尊敬表現を、自分側に関することは謙譲表現を使います。

よく使う呼び方一覧

対象 相手側 自分側
会社 貴社・御社・そちら様 当社・小社・弊社・わたくしども
団体 貴協会・貴会 本会・当会
役職 社長の○○様 社長・社長の○○
本人 ○○様・そちら様・貴殿 私・こちら・当方・小生
同行者 お連れ様・ご同行の方 連れの物
訪問 ご来社・お立ち寄り・お越し 参上・ご訪問・お伺い
物品 お品物・ご厚志・けっこうなお品 寸志・粗品
文書 ご書面・貴信・貴書 書面・書中・幣書
授受 お納めご笑納め 受領・拝受
著書 ご著書 拙著
逝去・訃報・他界 死亡
お住まい・お宅 拙宅・小宅
家族 お宅の方・ご家族の皆様・ご一同様 家の者・私ども・家族一同
ご主人様・だんな様 主人・夫
奥様・令夫人・ご令室様 妻・家内・女房
息子 おぼっちゃま・ご子息・ご令息・息子さん 息子・子ども・せがれ・愚息・長男
お嬢様・ご息女・ご令嬢 子ども・娘・長女

ビジネスシーンでありがちな間違った敬語の使い方

ビジネスマナー
敬語の使い方
謙譲語
尊敬語
ビジネス
間違い敬語
敬語のマナー

人をさす言葉・敬称の使い方

呼び方
自分の呼び方

ビジネスの現場では、人や会社の呼び方、敬称のつけ方にも慣例的なルールがあります。自分のことは「わたし」または「わたくし」と言い、「ぼく」や「自分」という言い方はしません。

また、「うちの会社」という言い方もビジネスの場では通用しません。自社のことは「当社」「弊社」「わたくしども」、相手の会社は「御社」とするのが基本です。

役職にさんは基本的につけない

普通は、相手の呼び方は「あなた」ですが、ビジネスではあまり使われません。相手の姓に敬称をつけて「○○様」とするか、「課長」「部長」などの役職名で呼ぶのが基本です。

「課長」「部長」などの職位名称には、もともと敬意が込められています。ですから、本来は「課長さん」などの「さん」づけは不要です。

ただ、現実には「課長さん、いらっしゃいますか」などのように、とくに取引先の人に対して「さん」づけするケースは多くみられます。これは一概に、間違いだとは言い切れない側面もあります。 なお、原則論で言えば会社名にも「さん」はつけませんが、「○○社さん」という言い方は日常的によく聞かれます。

外部の人に対しては、身内に敬称をつけない

外部の人に対して自社の人間の名をあげるときは、敬称はつけず姓を呼び捨てにします。また、「○○課長」という言い方も誤りです。

役職名を明らかにする場合は、「課長の○○」とします。この場合の「課長」は単に職位の説明にすぎず、敬意にはあたりません。

なお、本人の家族や近親者に対しては「○○さん(○○加藤)は外出されています」というように敬称をつけ、敬語も尊敬語を用います。